昨今の「発電燃料となる天然ガス不足」の影響で電力卸売市場の価格高騰が止まらない中、割安な電気料金単価を維持できなくなった新電力会社が新規受付停止や事業撤退を余儀なくされています。
大事なこととして、このような決断をされた会社の多くは、このまま続けても「企業とお客様」がWin-Winの関係にならないとしっかり考えてくださったと僕は思います。
以前より電力やガス会社の選択が難しい状況になりましたが、皆様におかれましても、安さだけでなく「信頼できる会社」を冷静に見極め、自己責任で行動いただくようお願い申し上げます。

電気とガス料金を改善したい人「中部電力でも東邦ガスでも『電気とガス』を契約できるみたいだけど、まとめるならどっちが安いの?せっかくなのでお得に契約したいなぁ。詳しい方の意見が聞きたいです。」
今回、こういった疑問にお答えします。
使用量によってどっちが得か分からない!でも、最安ではない。
電力は2016年4月、都市ガスは2017年4月より自由化が開始され、現在、中部電力でもガスを扱い、東邦ガスでも電気を扱ってますね。僕も正直、1社に絞ってまとめるメリットってあるの?と思っていましたが、まとめた方が「料金が安く」なることはまぎれもない事実。

言いたい事はわかるけど、なんか面倒くさいなぁ・・・
昔の僕のように「めんどくせー」って言うだけで検討しない人が結構いるけど、ハッキリ言っちゃうと「お金がもったいない状態」ですよ。
だって、食べ物だったら「美味しいから高くてもOK」はありだけど、無味無臭の電気やガスって「〇〇だから高くてもOK」ってないでしょ。



そう言われるとたしかに納得だわ
そんなわけで、電気やガスについて詳しくない人にも最小限の専門用語だけで分かりやすく解説します。
本記事が電気・ガスの見直しで節約のキッカケになれば幸いです。
筆者紹介
本記事を書いている僕は節約大好きな2児のサラリーマンパパ。ネットを駆使した日常の生活の中であらゆる節約を実践中。とはいえ、僕の節約術は「生活レベルを落とさない!」をモットーにしています。
本記事では分かりやすくするため「中部電力」と言ってますが、正確には「中部電力ミライズ」のことで、2020年4月に中部電力より分社化され電力・ガスの販売事業を引き継いでいます。
また「カテエネ」とは、電気やガスの料金・使用量をWEBでチェックできる「中部電力ミライズのサービス」のことです。
関係ないと思っていませんか?
知らない人が結構いるけど、プロパンガス(LPガス)も料金自由化となっているのに、いまだに昔ながらの高額料金を支払っている方が多いのが現状。10万件以上の実績がある【ガス屋の窓口】
まとめるなら中部電力と東邦ガスどっちが得か比較してみた
電気やガスって、家族構成や地域によっても使用量にかなり差があるもの。
全国平均で1世帯が1年間に消費するエネルギーは、電気が4,322kWh、都市ガスが204㎥と環境省が公表しています。


例えば、関東甲信と北陸の電気を比較すると、北陸の方が1.65倍の使用量です。ガスは逆に関東甲信の方が1.62倍と多い。
だから、どっちでまとめた方が安いかを一言で決めることは困難なわけです。
とは言え、どの電力会社・ガス会社も基本的に以下の公式に基づいて計算されています。
- 電気料金 = 基本料金 + 従量料金単価 × 電気使用量(※1)
- ガス料金 = 基本料金 + 従量料金単価 × ガス使用量(※2)
(※1)電気料金ですが、実際はさらに「燃料費調整額」と「再生可能エネルギー発電促進賦課金」が付加された金額が請求されます。特に「燃料費調整額」は火力発電に用いる燃料の価格変動が毎月の電気料金に反映されるもので、必ず足されるわけではなく引かれることもあることを覚えておきましょう。
(※2)ガス料金も実際は「燃料費調整額」が従量料金単価へ反映されています。燃料費調整額を決める「燃料費調整単価」は、ほとんどの会社が上限を廃止しているため、最近は単純に基本料金と従量料金の安さ勝負になっているなぁと感じています。
よって、計算式の元となる「基本料金」「従量料金単価」を比較してみました。
電気はどっちが安いか比較



まずは電気の「基本料金」を表で比較するぜ
電気 基本料金比較
(税込、円)
契約電流 | 中部電力 | 東邦ガス | 価格差 |
---|---|---|---|
10A | 286.00 | 539.00 | -253.00 |
15A | 429.00 | 539.00 | -110.00 |
20A | 572.00 | 539.00 | 33.00 |
30A | 858.00 | 836.00 | 22.00 |
40A | 1,144.00 | 980.00 | 164.00 |
50A | 1,430.00 | 1,277.00 | 153.00 |
60A | 1,716.00 | 1,574.00 | 142.00 |
上記の通り、中部電力には10A・15Aの料金設定がありますが、東邦ガスにはないため20A以下はすべて同じ料金。よって比較すると、20A以上なら東邦ガスの方が安く、20A未満なら中部電力の方が安い結果となりました。



お次は電気の「従量料金単価」を比較してみるわよ
電気 従量料金単価比較
従量料金単価ですが、中部電力は3段階なのに対し、東邦ガスは10段階もあります。
▼中部電力


▼東邦ガス


上記の通り、両社の料金を比較すると、300kWhまでは中部電力が安く、300kWh越えから500kWhまでは東邦ガスが安い結果となりました。



500kWhを超えるとまた中部電力の方が安くなるぜ
電気 総合料金比較
総合すると、15A以下で300kWh以下なら中部電力の方が安く、20A以上で500kWh以下なら東邦ガスの方が安くなる可能性が高い!
よって、東邦ガスのHPに「契約電流20A以上ならおトク」って書いてあるのは上記が理由になりますね。
ガスはどっちが安いか比較
続いてガスの「基本料金」「従量料金単価」を比較してみます。



まずはガスの「基本料金」を表で比較するぜ
ガス 基本料金比較
(税込、円)
1ヶ月の ご使用量 | 中部電力 (カテエネガス プラン1) | 東邦ガス (がすてき トクトク) | 価格差 |
---|---|---|---|
0㎥~20㎥ | 759.00 | 759.00 | 0 |
21㎥~50㎥ | 1,616.39 | 1,649.38 | -32.99 |
51㎥~100㎥ | 1,947.41 | 1,987.02 | -39.61 |
101㎥~250㎥ | 2,243.80 | 2,143.87 | 99.93 |
251㎥~500㎥ | 2,513.70 | 2,711.70 | -198.00 |
501㎥~ | 6,597.96 | 7,109.25 | -511.29 |
上記の通り、100㎥以下では中部電力の方が安く、101~250㎥では東邦ガスの方が安くなりました。そして251㎥からはまた中部電力の方が安い。



お次はガスの「従量料金単価」を比較してみるわよ
ガス 従量料金単価比較
(税込、円)
1ヶ月の ご使用量 | 中部電力 (カテエネガス プラン1) | 東邦ガス (がすてき トクトク) | 価格差 |
---|---|---|---|
0㎥~20㎥ | 204.52 | 208.82 | -4.3 |
21㎥~50㎥ | 156.29 | 164.30 | -8.01 |
51㎥~100㎥ | 149.66 | 157.55 | -7.89 |
101㎥~250㎥ | 146.70 | 155.98 | -9.28 |
251㎥~500㎥ | 145.62 | 153.71 | -8.09 |
501㎥~ | 137.45 | 144.92 | -7.47 |
上記の通り、すべての使用量において東邦ガスより中部電力が安い結果となりました。



じゃあ、ガスは中部電力の方がお得になる可能性が高いってことだな
とは言え、例えば3人家族を想定した使用量30㎥で、どれだけの価格差があるか計算してみると166円程度とビックリするほどではありません。
20㎥ × 4.3 +(30-20㎥)× 8.01 =166.1円



結局、まとめるならどっちが安いのかしら
まとめるならどっちがお得?
上記のとおり、電気もガスも使用量の少ない一人暮らしなら中部電力、3~4人のファミリー規模なら東邦ガスの方が安くなる可能性が高い。
しかし我が家もですが、実際一年を通した月々の使用量は大きく変動するので、年間でどっちがお得かは判断が難しいことになります。



ほかに選ぶポイントはないの?
しかし、どちらの会社も独自のキャンペーンをしている場合があるため、それほど価格差はないと推測できます。



お互い意識して切磋琢磨してるってわけね
結論、ちょっとの価格差でどっちにするか決めるのではなく、どっちの会社に魅力を感じるか、応援したいかを以下のページを見て決めるのもよいかと思います。
中部電力≫
東邦ガス≫東邦ガスの電気 切り替え申し込み
でも、この結果で満足してはいけません!じつは近年、電力の自由化により多くの新電力会社が注目されています。



もしかして、もっと安くできるのかしら
その答えは次の章で解説します。
【意外】電気とガスは1社にまとめる方法だけがお得ではなかった
結論的なことを先に言っちゃいますね。
中部電力と東邦ガス、まとめるとどっちが得かなんて正直、気になりません!



いったいどういう事だ?
電気やガスの自由化って、たくさんの新会社が参入してきてて、価格競争にしのぎを削っています。



なんだか、まるで格安SIMの世界みたいね
その通りで、大手「中部電力」と「東邦ガス」より価格メリットを少しでも出すために新会社は日々努力してるってわけです。
そんな中、どこにも負けないほどガスを安く提供している注目の会社があります。
それが、「エルピオ都市ガス
エルピオ都市ガスを運営する株式会社エルピオは、1965年設立の歴史ある企業で長年に渡り地域の豊かな生活のためにエネルギーを供給している企業です。
近年では「大阪」や「京葉」エリアにも都市ガス供給を開始し、2022年の5月には利用者が3万世帯を突破しています。
電気とガスを1社にまとめなくても安くなる方法とは
1社にまとめるより、まずはガスを「エルピオ都市ガス
理由は簡単で、「基本料金」と「従量料金単価」が大手より安いから。



そんなに安いのか
では、東邦ガスとの基本料金と従量料金単価を比較してみましょう。
(税込、円)
月の使用量 | 料金区分 | エルピオ 都市ガス | 東邦ガス (一般ガス) | 割引率 |
---|---|---|---|---|
A(0㎥から20㎥まで) | 基本料金 | 714.00 | 759.00 | 5.9% |
同上 | 従量料金 | 198.00 | 210.52 | 5.9% |
B(20㎥をこえ50㎥まで) | 基本料金 | 1,495.00 | 1,588.88 | 5.9% |
同上 | 従量料金 | 159.00 | 169.03 | 5.9% |
ガスの使用量が50㎥までなら最大で5.9%程安くなります。
この5.9%ってのが結構すごくて、他社を調べてもなかなかここまでの割引率は見当たりません。



じゃあ、5.9%offって具体的に年間でどのくらい節約になるの?
4人家族(使用量40㎥/月)なら、年間約3500円の節約になるのです。
さらに、キャンペーンで11ヵ月後に4000円割引も実施しており、これもかなり嬉しい対応。
そんなわけで、ガスをエルピオ都市ガスにするだけでも十分お得!
エルピオ都市ガスは違約金や契約期間の縛りもなく万一の時も乗り換えできるので安心ですよ。



じゃあ、ガス会社をエルピオ都市ガスに変更で決まりだね
しかし、もっと節約を最大化することを考えてみましょう。
冒頭で「1社にまとめる方法だけがお得ではなかった」と言いましたよね。



ちょっと、もったいぶらずに早く言いなさいよ
勘のいい人なら気づいちゃったかもですが、電力会社も「中部電力」以外を選ぶ方法です。
そこでおすすめなのが「ENEOSでんき」です。
ENEOSでんきは、全国30ヵ所以上に自社発電所をもっており、2020年12月時点で76万世帯に電気を供給しており実績は十分。
4人家族(使用量400kWh/月)なら年間10000円近く節約できる可能性あり。
「ENEOSでんき」は「エルピオ都市ガス」とパートナー提携しており、エルピオ都市ガスの公式サイトより申込が可能です。
※2023/5/1より長らく停止しておりました「エルピオでんき
まとめ.電気とガスの自由化でお得に節約しよう
今回、電気やガスの見直しで節約する方法を紹介しました。
まとめるもよし、新電力会社に乗り換えるもよし、そのままよりはムダなお金を使わなくて済みます。
また、エンジニアの意地にかけてプログラミングの知識も使いつつ、たくさんの新電力会社の資料をかき集め、膨大なデータ量を解析してみました。ほんの一部ですがその時の画面です。


電気・ガスの自由化で、新電力会社に変更するだけで節約できることが理解できたでしょうか。



ところで、どうやって電気・ガスの会社を切り替えればいいの?
答えは、新しい会社に申し込むだけ。自動的に古い会社とは解約になります。



乗り換えってそんなにお手軽なのね♬
お互い、生活レベルを落とさずに楽しく節約していきましょう。
じゃあ、またね。